『森下仁丹』日本の製薬会社の一つで、大阪府に本社を持つ。医薬品製造企業として1893年に創業。1896年に香袋「金鵄麝香」を販売、1898年、内服美容剤「肉体美白丸」を販売、1900年に梅毒新剤「毒滅」を販売し、5年後に主力商品となる懐中薬「仁丹」の製造・販売に成功したのである。「仁丹」は口中清涼剤として開発されたのだが、発売当初は「完全なる懐中薬・最良なる毒消し」という名目で売り出された。風邪や食あたりなどで命を落とす人が多かった時代に、携帯・保存に便利な薬の研究・開発に取り組み、出来上がったのが「仁丹」だと言われている。表面が赤かったのは、保存性を高めるために、ベンガラでコーティングされたためであった。宣伝戦略にも成功し、一躍大ヒット商品となったのである。その後、「仁丹」のケースは丸いアルミのものから、ブック型になり、ガラスの小瓶、四角い透明容器、はんこ型など、時代によってさまざまな形に変形していった。